美術館のオープニング
 アーミデールの美術館で先日見たのは並べ替え中の中途半端でした。準備完了してきのう金曜日に新規企画のオープニングがあるというのでGonGとPopoで面白半分出かけました。100人以上、2万5千人の小さな町にしては意外におおぜいが来ていた。田舎にしては文化度が高いことがわかる。ジュースとビールを各3ドルで買って、おつまみをもらって歩き回る。みんな展示を見たりおしゃべりしたりしている。ちょっとしたご挨拶もある。
 企画の一つに「In My Dream」という世界巡回展示があり、各国30人の美術家が夢を主題に小さな展示物を出している。旅をして回る展示だから、小さな箱のようにまとめること、という条件が課せられており、箱の中に人形を置いたり、いくつかの絵をつなげたり(運ぶ時は本のように畳む)、長くたらした網に金物をたくさんぶら下げたり(運ぶ時は網を巻く)、アイデアが面白かった。
 もう一つ「ヒントン氏の日本旅行」という企画もあり、1904年に日本に行ったときの写真や骨董品が並べてある。当時の庶民の服装などが意外に昔風なのがたいへん面白かった。正面のいちばんいい壁に着物が一つ掛けてあって、キモノとは何かという解説がついており、出所としてこれだけはHinton氏でなくて「private collection」となっている。ところがこれが実はキュレーターのクリスティーさんが二三日前に急に思いついて探し始め、知り合いの日本人に頼んだら、そのまた知り合いである日本人、すなわち協子さんが持っていた安い浴衣を提供したもの、というのが裏話。まったく狭い町だ。全市民が友達もしくは友達の友達ではないかと思うほど。それにしても安物が偉そうにprivate collectionとは笑ってしまう。

 クリスティーさんのご主人と娘さんも来ていてお話しました。Popoは名刺代わりにもっていた作品の絵葉書をあげました。すぐ隣のジムで新体操の練習をちょうど終えた詠美がやってきて着物の前で記念撮影しました。はんなに勝るとも劣らない社交家の詠美はさっそく知らないおばさんとおしゃべりしている。おばさんがチビの詠美と着物の長さを比べて見て不審に思ったらしく、あなたのママの背丈はいくら?ときいている。「あ、あれは腰のところで折り曲げて締めるから背の低い人でも着られるんです」と説明されておばさんも納得。詠美も日本文化知識の普及にちょっぴり貢献しました。  (G)