洪水騒ぎはまだ収まっていないオーストラリア東海岸。
でも、天気は快晴。
久しぶりに洗濯物がさっと乾きます。
☆☆☆
ポールの勤めている大学は国立だけれど、とっても規模が小さい。私が卒業した教育大学とちょっと似ている。山の上にあるし。
コンピューターサイエンスはそんな小さな大学の、さらに小さな学科。
年々先生も減るし、学生も減るし、予算もね・・・。
時々、「大きな大学で仕事がしたい」とつぶやくポール。
入ってくる学生も優秀とは言い難い。
でもね、そんな環境でも、おもしろいことがあったりするんだ。
しばらく前に通信の学生Dクンが「すごく優秀」であると、わかってきた。
通信なので、直接会ったことはない。
とても発想が良くて、賢いので、ポールは少しずつ彼に仕事を頼んだり、研究の一部をいっしょにやり始めた。
ある時、シドニーで会議があったので、シドニー近郊に住んでいるDクンも出席するように誘った。
ところが、「行けるか行けないかはアレンジしないとわからない」との返事が。
初めて、ポールはDくんが重い障害を持っていることを知りました。
重いっていっても、それはそれは、すごーーーく重いんです。
介助の人をアレンジして、会議に出席したDくんに会って、ポールは本当におどろいたみたい。
重度の筋ジストロフィーだったのです。
24時間介護が必要なんです。
酸素ボンベも要るし、歩けない、しゃべるのも大変、とにかく、ぱっとみたら、この人は「何も出来ない人」なんじゃないかと思うでしょうね。
でも、ポールはとっても感動しました。
彼はやる気満々。
ビジョンもたくさん持っている。
これからも、彼の頭のよさがうまく発揮していけるように、周りの人が関わってくれたら、彼の人生は幸せなのではないか?
そして、その一人がポールだとしたら、ポールの先生としての役割も大事になってくる。
これからいやになるほど、ずーーっと同じ大学で仕事をするかもしれないけれど、、、、いいこともあるから、楽しくお仕事してくださいね。