幼児教育にみる

偉そうに、「教育」などと言っていますが・・・



私が最近思ったこと。独断と偏見ですからね。



私が昔日本の幼児教育に関わっていたとき、今月の目標などに、


       「みんなでなかよくあそぶ」


などというのは普通に掲げておりました。
具体的には、グループ活動のようなゲームや運動、お遊戯なんかを意図的に組み込んだものです。


日本人には違和感がないかもしれませんが、オーストラリアでは絶対に掲げられない目標だなあ、と思います。


だいたい、「みんな」などと全員を一まとめにしてしまうのは、裁判に訴えられてしまうぐらい「禁句」ですね。



最近、新たに「幼児教育概要」みたいなものが出されました。
デーケアをやっている私たちも読まなきゃいけなくて、面倒だけど、2時間の講義を受けてきました。


ひとことでまとめてしまうと、中心概念は


    「それぞれの個性を尊重しよう」


でした。多少、数学的なものにも力を入れよう、などという(数学が徹底的にできない国民性を改善する気らしい)新しい項目もありましたが、要は、「個性重視」です。



具体的には、宗教、人種はもちろんのこと、親の職業や、家族の形(離婚、再婚、晩婚、早婚、ゲイ婚・・・複雑です。)、障害、とにかくすべての面で、それぞれを尊重しなければいけません。誰かを否定するような接し方は許されません。
例えば、お父さんは男、お母さんは女、なんて普通を教え込むなんて、ご法度。
人形遊びひとつでも、できれば「ユニセックス」みたいな人形を使うと、それぞれの自由な発想で人形遊びが出来て良い、みたいな。


(現実にはオージーは保守的な考え方の人とその対極にいる革新的な発想の人との差が激しく、矛盾を感じる。過渡期なのかもしれない。)



集団行動を強制するのも、まずありえない。
ダンスの時間にダンスが好きじゃない子は見ていてもよし、工作が好きな子は、工作をがんがんやらせてあげよう、とか。



そうやって育ってくる子供たちと日本のように小さいときからみんなと足並みそろえて遊べる子たち、これは大きな違いとして将来現れてくるでしょうねえ。
どっちがいいかは私にはわからない。
教育や価値観について、「絶対」というのはありえないからなあ。


ただ、違うなあ、としみじみ思っているわけです。