日本語教育の混乱

これは、今現在、こんな感じだということを記しておくためのメモ。


オーストラリアのハイスクールでは公立私立を問わず、日本語を教えてくれる学校が多くある。(ないところもある)


詠美の学校では昨年から先生がいなくなってしまったので、大部分の生徒は日本語を習わず、ドイツ語かフランス語を取っている。


でも、我が家は日本語を少しでも勉強してくれたらいいな、という希望があったので、学校にいながらにして、日本語の通信教育をさせてもらっていた。



が、だ。


話がややこしいのだが、こんなにがんばっているのに、大学受験では現在のところ、詠美は「ネイティブ日本人」のテストしか受けられないらしい。
そのレベルは日本の高校を卒業した子と同じぐらいだから、相当難しく、オーストラリアで育った日本人の子供たちにはほぼ理解不可能。
それなのに、オーストラリア人の生徒の受ける日本語のテストが受けられないということなのです。
二種類のテストを作るところからして変だよね。


なぜか、中国語、韓国語、日本語、(あともうひとつアジアのどこかの言語)の4言語だけが、こんな差別をされている。
ヨーロッパのどこかから昨年引っ越してきた子はなんの差別もなく、フランス語だドイツ語だ、でオーストラリア人の子供たちと同じテストを受けられるというのに!!!


詠美の場合、日本の学校で教育を受けたのはたかがあわせて半年。
ほとんどの学校教育をオーストラリアで受けているし、なんていったって、詠美はオーストラリア市民ですぜ!



このまま日本語を勉強したところで、大学受験に使えないとなると、他の教科を勉強させるしかなくなるので、多くの日本人の親たちは子供に日本語教育をハイスクールでさせてあげない、そんなへんな傾向になっているわけです。



今日、ポールが通信教育の先生に電話をして、これから詠美の日本語教育をどうしたらいいのか相談。


彼女曰く、現在新たに「ネイティブ」ではなく「ネイティブの子孫」(変な訳だ。heritage)という分け方が出来て、それはネイティブよりは簡単な、でもオーストラリア人よりは難しいテストになる、という案が提出されようとしているらしい、ということを聞いた。



なんで、単にみんないっしょのテストにしないのか、本当に理解できないが。



それのカテゴリーに入るためには、なんと意味不明なことに、詠美は今年は日本語を勉強しないほうがいいかもしれないとアドバイスされた。(確定はしていない)


なんて、なんて、混乱する状況なんでしょうか!!


オーストラリアは白豪主義から開放されたが、いまだにアジアンに「頭脳占領」されるのを怖がっているのだな。
大学入試でこんな姑息なやり方をしやがって!!!


こんな政策はやめて欲しい。
純粋に日本語を勉強したい、させてあげたい、という家族の気持ちをとっても逆なでします。


ぷんぷん。