WIRES

カンガルー

数日、庭をうろうろしていたマグパイの雛が私たちが留守中に猫に襲撃された。帰宅すると庭の隅でうずくまる雛が・・・。もう死んだと思った私がポールに頼んで見てきてもらうと、まだ息をしている。近くの木の枝からは親鳥がずっと雛を心配そうに見守っている。
以前紀子さんが怪我した鳩にオロナインを塗ったら元気になったといっていたので、オロナインもどきを羽に塗るようにポールに頼む。なにせ、親鳥が怖いので、私たちは箒を手にもち親鳥がポールを襲わないようにしながら薬を塗ってみる。(ポール親鳥を怖がるゆえ、かなりへっぴり腰)雛はギャーギャー抵抗。親鳥が仲間を呼んだりして沢山マグパイがきちゃったりと、大騒ぎ。
夕方になってもどうにもならず、明日の朝までに更に猫にやられるのも悲惨だし、しょうがなくワイヤーズ(野生動物救済団体)に電話する。市内在住の獣医さんが来てくれる事に。
1時間ほどして到着。ぱっと見るなり「これはかなり重症だ」。(結局後で聞いたら、薬で眠らせたとのこと。)

子供が出て行くとその獣医さん「ハ〜イ、キッズ。明日カンガルー持ってきてあげるわ」
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イキナリそんな面白いことを言ってくれるので、私たちも面くらいながらもすかさず「では明日の午後お願いします」

日曜の午後、彼女がカンガルーの赤ちゃんとポッサムというオーストラリア特有の動物をつれてきてくれる。どちらも親が交通事故で死亡。ひとり立ちできるまで面倒を見ているのだそうだ。
カンガルーの赤ちゃんのミルク飲みも見せてくれたし、おなかにある小さな袋や、爪、不思議な歯(下の歯は二本で、下から上に生えているのではなく、奥から前に向かって生えている)なども観察させてもらった。耳が180度良く回るのが面白かった。目がとても愛らしく、穏やかな性格でしたよ。
ポッサムにはりんごをあげる。上手に掴んで食べていた。

彼女たちは実は親東洋人家だったらしく、中国に行った話しや息子さんが長崎に留学していた話なんかをしてくれた。

また、彼女によると、マグパイの雛は間違って巣から落ちたわけではなくてオーストラリアの鳥は飛べる前に数日地上を歩く期間があるそうだ。「危ないじゃない?」と聞くと、昔は鳥を襲う動物はいなかったからねえ、とのこと。納得。

いやあ、なかなかいい体験でした。
昨日から泊まりに来ている和子さんも喜んでいました。

http://www.wires.org.au/default.htm
上記はワイヤーズといって野生動物救済団体のウェッブアドレスです。興味のある方は覗いてみては。ちなみにほとんどボランティアで運営されているみたいです。