Shin pads?/ サークルセンテンス

サッカー友達がやたらに「シンパンツは買ったか?」と質問するので「ジムパンツ(運動用のズボン?)」と勘違いして「もちろん」と答えていた。実はこれはシンパッド、つまり脛あてパットのことでした。(私がいかにいい加減に英語を聞いているのかおわかりでしょう)
試合の当日、パットをつけている友達に「あら、それはいいものつけてるね」なんて言ったらすごくへんな顔されて「もしかして、キョウコはシンパッド持ってないの???」と驚かれてしまった。予備に持って来た友達に借りることが出来て事なきを得たが、無かったら大変なことになっていた・・・。というのもサッカー、結構みんなマジでした。誘ってくれた友達は「走らなくても大丈夫よ〜」なんて甘いこと言うから参加したのに、初めからめちゃくちゃ走りました。昔、よくボール系のスポーツをやっていたので、体は無理なのに体が勝手に動いちゃってものすご〜〜〜く疲れた。
相手チームは若いさわやか系の女の子たち。良くみると、はんなの担任の先生もプレーしてるじゃないのっ。「先生、こんばんは。すごい元気ですねえ」「あなたもがんばってるじゃない」なんてママまで励まされちゃいました。彼女、若いのに良く子供たちを励ましてくれるいい先生なのよ。
今朝は足の付け根が痛くて歩く度にウォーミングアップを真面目にやらなかったことを後悔。
でも、面白かった。試合中は必死だったから笑えなかったけれど、終わってみると滑稽な場面がフラッシュバックしてきて、一人笑いをしてしまうのです。それに、英語がダメでもプレーすることで、なんか同じ土俵を踏んでいる気持ちになれて嬉しい。(会話だけだと、よく自分だけ違う世界に行ってしまうから。勘違いとか通じないとかで)
9対4で負けたけれど、私は2ゴール入れましたよ。来週の試合に向けて日々からだを鍛えなくっちゃ?!

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今、面白い番組を観たので忘れない前に記しておこう。
オーストラリアでは原住民(アボリジナル)は人口の2パーセントしか占めていないのに、刑務所の20パーセントが彼らで占められている。それほど犯罪率が高いのだ。主な犯罪は酒、ドラッグがらみの暴力、盗み。刑務所に一度入ったら、また戻ってくる率が高く、政府も頭を痛めていたのでしょう。最近、「サークルセンテンス」という裁判が試行され、とても素晴らしい効果を挙げ始めたのだ。
簡単に言ってしまえば、アボリジナルの長老が数人集まって、被告にお説教するのだ。そこには、弁護士と地元の判事もいて、最後には判決まで出しちゃうのだ。

集会場のようなところにイスを円形に並べ、被害者、加害者その他の人たちが顔を見ながら事件について語る。本人も泣くけれど、被害者も時には長老も涙ながらに真剣に胸のうちを語り合う。判決も本人の前でああでもないこうでもないと相談しながら決めていく。
例:
「お前は、子供のいる前でよくも自分の妻を殴れたもんだ。それはやっちゃいけない。」
「お酒のせいにはしてはいけないよ」
「お前はなんてことしたんだ、恥をしれ〜!」
「酒は絶てるものよ。私だってアル中だったけど治ったわよ、今度は誠意をみせないさい。」
等等。まあ、普通の説教だ。
「自宅謹慎がいいのでは」
「家で何もしないでいるのは却って酒におぼれやすいからだめだ」
「じゃあ、週末だけ謹慎にしよう。」
ラグビー観戦とかいくとのんじゃうしな。」
「それがいい、それがいい」
てな感じで判決も出る。

彼らにとって「家族に恥をかかせる」ということが、一番つらいことであるため、長老は加害者の親戚筋からくる。同じコミュニティーの長老でないと効果が無いんだそうだ。親戚だと甘くなるのでは、と心配だだが、長老もここに来てすっかり誇りを取り戻しつつあり、厳しい態度をとっている。それだけ一生懸命なのがわかる。
普通の裁判では判事や弁護士の言っていることが、法律用語ばかりでさっぱりわからないし、自分がどうしてこんなことをしてしまったのか、これからどうしたらいいのかということが全くわからないまま、刑務所に入り、辛い日々を送り、益々ふてくされる・・・という繰り替えしだったのではないかしら。
犯罪を繰り返す率がなんと、半分に減ったんですって。

彼らにとって尊厳を取り戻すということが、本当に大事なことね。一度失われた人々だからね。